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D1:応用数理
D1-1:HIVゲノムの組み換え検出におけるNeighbor-Net法の性能評価
発表者番号:11
著者:伊藤綾香, 早水 桃子
カテゴリ:応用数理
キーワード:HIVの進化,遺伝子組み換え,距離データ解析,系統ネットワーク,Neighbor-Net
ポスター発表日時:12月7日(土)13:00 ~ 13:30
ポスター発表場所:D1-1
概要:HIV-1の高速な進化と遺伝的多様性を推進するメカニズムの一つはゲノムの組み換えである.HIV-1のサブタイプは主要なものだけで10種類以上あり,異なるサブタイプに感染した宿主内で遺伝子組み換えが起きると新しいサブタイプが生じる.例えば中国で蔓延しているCRF07_BCとCRF08_BCという二種類のサブタイプは,いずれも1990年代にサブタイプBとCの組み換えで生じた流行株である.HIV-1のように組み換えが問題となる病原体の進化史を調べる研究では,サンプル間の進化的距離を可視化する目的でNeighbor-Net(NN)法がよく使われるが,NN法のHIVの組み換え検出における性能を詳しく調べた研究はない.本発表では,NN法をHIV-1の複数のデータセットに適用した結果を報告する.NN法で組み換えイベントを正しく検出できる場合もあるが,NN法で構築できるのは平面的グラフの一種に限られるため,三種類以上のサブタイプが混ざり合う複雑な組み換えはNN法では正確に検出しきれないことが確認された.

D1-2:アンケート時系列データを用いた個人別等化アルゴリズムの提案
発表者番号:12
著者:アイシア=ソリッド
カテゴリ:応用数理
キーワード:項目反応理論、隠れマルコフモデル、アンケート時系列データ分析
ポスター発表日時:12月7日(土)13:00 ~ 13:30
ポスター発表場所:D1-2
概要:近年、多くの企業や団体でサーベイ(アンケート)が定期的に取られるようになり、そのデータが組織運営に生かされるようになった。しかし、サーベイが構成員に与える時間的・精神的負荷も増えてきており、最小項目数(質問数)で最大情報を得られるサーベイの設計が望ましい。 そこで本研究では、定期的に実施される、項目が固定されたサーベイに対して、隠れマルコフモデルと項目反応理論を用いて、サーベイで回答していない項目の回答の予測を試みた。その結果、項目数を削減しつつ、情報量の減少を最小化した項目削減設計が可能になる。また、この研究の中で、個人別の等化アルゴリズムの作成に成功したので、これも報告する。

D1-3:点列の空間重ね合わせと四次方程式
発表者番号:49
著者:朝桜さく
カテゴリ:応用数理
キーワード:空間回転 四次方程式 四元数 数値計算
ポスター発表日時:12月7日(土)14:00 ~ 14:30
ポスター発表場所:D1-3
概要:三次元空間上のn個の点列のペア {X_1,…,X_n}, {Y_1,…,Y_n} ∈ R^{3×n} に対し、剛体回転のみを用いた最適な重ね合わせについて考える。最も有名な定式化として、点列ペア間の RMSD (二乗平均平方根偏差) を最小化する回転行列を求める Kabsch-Umeyama algorithm による方法が広く知られている。本発表では、まずこの点列ペア間の RMSD 最小化に関する数理的な背景を整理し、RMSD 最小化問題がモニック四次方程式に帰着されるという先行研究を紹介する。その後、解の縮退に対しに数値的に不安定であったという問題を回避する実装を紹介し、この実装が単精度浮動小数点でも安定して計算できることを示す。

D1-4:美少女場の量子論3―くりこみによる無限擬人化問題の解決
発表者番号:52
著者:ソーサツ チエカ
カテゴリ:応用数理
キーワード:キャラクター、場の量子論、メディア
ポスター発表日時:12月7日(土)14:00~14:30
ポスター発表場所:D1-4
概要:美少女場の量子論は、ソーシャルVRを含む現代文化において頻出する美少女表現の機能と性質を、場の量子論の形式を借りることで、人間の性別から独立した形で数理的に理解するための試みである。しかし任意の情報を離散的な美少女へと擬人化可能な場として扱うこのアプローチには従来、「ある情報が美少女擬人化されたという事実の美少女擬人化」というメタ階層の存在によって美少女が無限人に発散し、有限の認知能力で処理できなくなるという理論的課題があった。本研究では、場の量子論において紫外発散の問題を近似的に解決したくりこみ群の方法を、この無限擬人化問題に適用する。この方法を通じて、摂動論としての美少女場の量子論をよりミクロなスケールまで拡張することを試みる。
